ポスター報告

日本西洋史学会大会は、研究に本格的に取り組みはじめたばかりの学部生・院生から中堅・ベテランの研究者、そしてさらには一般の方まで、西洋史学に関心を寄せる多くの人びとが集まる年に一度の機会です。本大会準備委員会は、この貴重な機会が、現在進行中の多様な研究の発信・受信の場としていっそう有益なものとなるためにポスターセッションを設定しました。

ポスターセッションは、比較的インフォーマルで双方向的な学術的コミュニケーションを可能にするフォーマットです。この形式の特徴を活かして、本大会のポスターセッションは、自由論題報告のように新規の研究成果発表に目的を限定しません。研究成果発表以外にも、修士あるいは博士論文の構想あるいは中間経過の報告、科研費等の研究プロジェクトの概要発表あるいは中間報告、萌芽的な研究関心の共有と聴衆との議論を通じた彫琢を目指すプレゼンテーションなど、広範な目的にひらかれています。

以上のねらいを達成するために、本大会におけるポスターセッションは以下のかたちで運営されます。

  1. 大会1日目21日(土)の11時頃から4会場でポスターの掲示を可能とします。その後2日目22日(日)の午後まで掲示します。その間、日中はポスター会場を解放していますので(1日目は17:30まで、2日目は17:00まで)、随時ご自由にご観覧ください。なお、掲示期間のあいだ、ポスター報告者がポスター掲示会場に常駐しているわけではありません。
  2. 大会1日目の12時から14時まで、大会2日目12時から14時までをポスターセッションタイムとします。この時間帯は、基本的にポスター報告者がポスターのそばで観覧者に説明、対応する時間とします。来場者が一つのポスターに一斉に注目する時間は設定されていません。すべて来場者各自が自由に見て回り、ポスター報告者と、あるいは来場者同士で、議論する時間とします。なお、セッションタイム中でも、ポスター報告者が会場内の他のポスターを見に行くなどしてポスター前から離れている時間がありうる点、ご理解ください。
  3. 今回のポスターセッションは研究成果の発表に目的を絞っていないため「優秀ポスター賞」は設けません。

ポスター報告一覧 (v.3)

(2016年4月1日 更新)

第一会場(西校舎 516)

1. 加藤 政夫 (学習院高等科)
世界史教育のゆくえを考える

2. 飛鳥馬 一峰 (中央大学・院) + 功刀 俊宏 (東洋大学・研究員)
中近世「首都」における権力―イタリアと日本における事例からの比較―

3. 佐藤 育子 (日本女子大学・研究員)
フェニキア人の海外発展―地中海の事例を中心に―

4. 古川 桂 (独立研究者)
ローマ期エジプトにおける神殿の立地と活用―西方砂漠ハルガ・オアシス―

5. 藤澤 綾乃 (慶應義塾大学・院)
紀元2–3世紀の東地中海地域におけるシナゴーグ―イスラエルとディアスポラを比較して―

6. 柴田 隆功 (東京大学・院)
皇妃アーデルハイト(†999)―オットー諸帝の統治における位置―

7. 林 賢治 (早稲田大学・院)
12世紀南ドイツの修道院における書庫係

8. 北舘 佳史 (中央大学)
シトー会シルヴァネス修道院の創立史における過去の統合と富をめぐる問題

9. 簗田 航 (東京大学・院)
トリーア大司教ヨハン1世の都市統治


第二会場(西校舎 515)

10. 松本 涼 (福井県立大学)
ノルウェー・アイスランド中世法における人命金(þegngildi)と王権

11. 佐野 大起 (東京大学・院)
テオドロス・メトキテス『第一皇帝賛美演説』における裁判の記述について

12. 櫻井 理沙 (東京大学・院)
ラモン・リュイ(ライムンドゥス・ルルス)の異教徒認識とその活動

13. 窪 信一 (東京大学・院)
14世紀ビザンツにおけるトマス・アクィナスの翻訳とラテン人観の変化

14. 濱野 敦史 (独立研究者) + 津澤 真代 (早稲田大学・院)
皇帝到来に揺れるトスカーナ―1355年カール4世のローマ行を事例に―

15. 田中 碧 (東京大学・院)
ドイツ中世都市の召集兵に関する一考察―とくに20世紀初頭以降の軍事史的・都市史的研究に注目して―

16. 有田 豊 (大阪市立大学)
中世ヴァルド派の思想に関する文献学的研究―写本の分析・解読・校訂―

17. 槙野 翔 (東京大学・院)
イングランド内戦期アイルランド反乱被害者供述による他者像構築

18. 早津 光子 (明治大学・院)
マリア・テレジア統治下のハプスブルク君主国における権力構造―宮廷と官僚の政治的権力をめぐって―


第三会場(西校舎 512)

19. 山王 綾乃 (お茶の水女子大学・院)
18世紀後半の「境界科学」―パリ王立科学アカデミーから見たカンパーの顔面角理論―

20. 田中 佳 (徳島大学)
ルーヴル宮共和国美術館開館時の展示―1793年8月10日―

21. 齋藤 由佳 (東京大学・院)
グリモ・ド・ラ・レニエールの美食

22. 楠田 悠貴 (東京大学・院)
ルイ16世裁判におけるチャールズ1世裁判の先例

23. 小西 正紘 (東京大学・院)
「ピータールーの虐殺」という表象―19世紀初頭イングランドの政治社会と急進派の政治文化―

24. 小風 尚樹 (東京大学・院)
1860年代中国海域における国際協力体制の再検討―イギリスの海賊鎮圧の理念と活動を中心に―

25. 山田 千聡 (独立研究者)
19世紀イギリスの書く女性と家庭経営―家政書の比較分析を中心に―

26. 山内 由賀 (京都大学・院)
娘たちは何のために学ぶべきとされたのか―フランス第二帝政期における女子教育の目的―

27. 湯浅 翔馬 (早稲田大学・院)
フランス第三共和政初期のボナパルト派の展開―ジュール・アミーグとポール・ド・カサニャック―


第四会場(西校舎 513)

28. 宮原 愛佳 (上智大学・院)
19世紀プロイセンの社会問題に対する自由主義者の主張―企業家F.ハルコルトを事例に―

29. 志賀 吉修 (愛知大学・研究員)
イギリスの19世紀におけるエジプト政策―特にグラッドストン第2次自由党内閣のエジプト単独占領(1882年)を中心に考察―

30. 丸山 雄生 (一橋大学)
第一次大戦期アメリカの保存イデオロギー―総力戦と博物館の展示技術の関係について―

31. 鈴木 俊弘 (一橋大学・院)
アメリカ合衆国における移民とコーポラティブ・アパートメント運動―フィン系移民とAlku / Alku Toinenの事例から―

32. 阿部 竹浩 (東北大学・院)
1920年代後半から30年代における在英インド人の独立運動―インド連盟を中心として―

33. 尾﨑 永奈 (東京大学・院)
「知識の人間化」をめぐる編集哲学― 1920年代アメリカ出版文化の一側面―

34. 西崎 緑 (福岡教育大学)
公民権運動におけるNCNWの役割

ダウンロード版

【ポスター報告一覧】第三版(PDFファイル)

会場アクセス

慶應義塾ウェブサイトの「三田キャンパス案内」もご覧ください。

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